雨楽熊と家

雨楽熊の職場

ある大雨の日、僕がいつものように
喫茶店に残飯を漁りにいくと・・・

不思議な紳士がいました。
40代くらいのちょっと頭が薄くなった彼は、
雨に打たれながら平然と新聞を読んでいるのです。

それを見た瞬間、僕はピンときました。
「彼も雨が大好きなんだ」、と。

じっと見つめる僕に気付いたのか、彼はこちらを向き、
こう話しかけてくれました。

「君も、雨が好きなのかい?飼い主さんは、いないのかい?」

僕は、大きく首を縦に振りました。

「そうかい、じゃあ私と一緒においで。雨が楽しくなる家で、一緒に暮らそうじゃないか。」

雨が楽しくなる家・・・いったい、どんな家なんだろう。好奇心と空腹から、僕は彼の家に行くことにしたのでした。



雨が楽しくなる家

雨が楽しくなる家の庭

彼はマクドウェルさんといって、建築会社を経営しながら雨を有効活用する方法を
研究したり提案している立派な人だったのです。

マクドウェルさんの家で暮らし始めてまず気付いたのが、
トイレの流し水に雨水を利用するシステム。容量が2トンもあるタンクに雨水を溜めて、
ポンプで1F、2Fのトイレに送って流し水にしたり、庭の散水にも使っていました。
僕の先輩にあたる、愛犬ジャック氏の専用プールも、この雨水を利用したものでした。

マクドウェルさんは奥さんと娘さんの3人暮らしで、全体の80%のトイレの水を雨水で
まかなっていました。だから、一家はみんな雨が大好き。とっても良い家に、拾われました。

マクドウェルさんの家はもちろん、建築資材にもこだわっていました。
なんといっても建築会社の社長ですからね!

使用されているのは全部、自然そのままの無垢材です。
天然の木は、ジメジメのときは空気中の水分を吸い、カラカラのときは湿気を吐き出します。
雨を利用する、賢い仕組みなんです!

それだけに留まらないのがマクドウェルさんの凄いところ。
彼は、貯まった雨水が高いところから低いところに落ちる力を利用して
発電をしようとしていました。

僕は、そのお手伝いをしながら就職先を探すことになったのでした。



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